involute Σ (Spur & Helical Gear Design)


 
  involute Σ (Spur & Helical Gear Design)

  

1.7推論1

 推論1は, 曲げ強さを基準としてモジュールと歯幅を決定します. ここで推論したモジュールと歯幅を有効にして次の設計に進むこともできますが, 無効とした場合は, 図1.3で与えた歯車諸元で次の設計に進むことができます. 強度を満足するモジュール, 歯幅, 材料の組み合わせは何通りもありますので, 推論結果を基本として歯車の概略を決定する際には非常に有効な機能です. 図1.5に推論1の画面を示します. 


図1.5 推論1の画面

1.8推論2

 推論2は, すべり率とかみあい率を基準として最適な転位係数を決定するための機能です. 図1.6のグラフは, ピニオンの最大すべり率を赤線で, ギヤの最大すべり率を青線で, 正面かみあい率を緑線で示しています. この場合, すべり率とかみあい率から判断してピニオンの転位係数0.2が, 歯形にとって最適な値ということができます. 転位係数の決定理由は, アンダーカット防止や中心距離の変更, かみあい圧力角の調整などが一般的ですが, この推論機能により, すべり率とかみあい率の関係を基本とした転位係数を決定することができます. アンダーカットが発生している歯形では, すべり率の値が大きく, かみあい圧力角が大きいと, 正面かみあい率が低下します. 


図1.6 推論2画面

1.9歯形図 

 歯形図は, 創成図, かみあ い図, 3D歯形, 回転図を作図 し歯形DXFファイル(2D,3D), IGESファイル(3D)を出力する ことができます. 図1.7にピ ニオン歯形創成図を, 図1.8 にかみあい図を表示します.  内歯車のかみあい図では3 種類の干渉(インボリュート干 渉, トロコイド干渉, トリミ ング) をチェックします. 図 1.9および図1.10に3次元歯 形図を示します. 


図1.7 歯形創成図(P)


図1.8 歯形かみあい図



図1.9 3次元歯形図(P)

図1.10 3次元歯形図(G)

1.10歯形座標ファイル(DXF,IGES)出力

 歯形座標は, 2次元および3次元のDXFファイル及び3次元のIGESファイルを出力することができます. 金型用にモジュール収縮率, 圧力角補正率を与えて歯形を出力することができ, 出力歯数は任意に設定可能であり, 座標値は小数点以下8桁で出力します. また, 図1.11に示しますように, 歯形修整の歯形をグラフで与えることができます. 図1.12及び図1.13にCAD作図例を示します. 
※3次元IGESファイルは, オプションです. 


図1.11 歯形ファイル設定


図1.12 2次元歯形(DXF)


図1.13 3次元歯形(IGES)