CT-FEM System (Ver.3.0)


 
  CT-FEM System (Ver.3.0)

  

0.はじめに
 CT-FEM Systemは、2004年09月に発売開始以来、歯車の限界設計に挑戦している専門家の方々から、バイアス修整や軸角誤差を持つ歯車の実験結果とシミュレーションが非常に良く一致した結果であると高い評価をいただいています。また、通常の歯車設計の感覚で操作することも高評価の一因です。 
 この度、お客様の要望にお答えして種々新機能を追加したCT-FEM System(Ver.3.0)を開発しました。詳しくは下記をご覧ください。

1.概要
 有限要素法による応力解析は剛性解析であり、扱うオーダーはmm単位です。一方、歯形のかみ合い解析はμmオーダーの寸法を扱う必要があります。さらに、一般のFEMは接触問題の解析を苦手としており、かみ合う一対の歯車の応力解析を歯面形状をも考慮して有限要素法で行うのはこれまで不可能であったといえます。
 そこで、機械設計者が柔軟に使用することができるように、歯車の接触問題を考慮したFEMによる歯車の応力解析ソフトを開発しました。図1.1CT-FEM Systemの画面を示します。


図1.1 CT-FEM System

2.初期設定
2.1 適用歯車 :インボリュート歯車

  外歯車×外歯車
  外歯車×内歯車

2.2 基準ラック:並歯、低歯、特殊
 図2.1に、諸元設定画面を、図2.2にメッシュの初期設定画面を示します。

 
図2.1 歯車初期設定  図2.2 メッシュ設定

3.諸元入力(1/4) 
 歯車の
FEM解析例を以下に示します。歯車諸元入力は、図3.1に示しますようにモジュールから歯底円直径までを順次入力するだけで済みます。また、中心距離を離してバックラッシを与えることも可能です。図3.2と図3.3に、検討歯車の歯形レンダリングを示します。また、歯面膜要素だけを表示することができますので食い違い誤差や平行度誤差と歯形修整を与えたときの歯面の接触を容易に観察することができます。


図3.1 寸法諸元設定

 
図3.2 歯形レンダリング


図3.3 膜要素歯形レンダリング

4メッシュ作成(2/4)
 本ソフトウエアではFEM解析用に歯車を四面体2次要素(図4.1)で自動分割することができます。生成条件は、図4.2に示すように歯元、歯面、歯先部分を分割精度基準として決定することができるため、応力集中部分を細かく、その他の部分を粗く設定することができます。
 生成したメッシュは、図4.3および図4.4で確認することができ、生成した要素の中の最大偏平要素も確認することができます。もし、生成した要素分割に不満があれば、図4.2の分割精度および節点数を変更することによりメッシュの形態を変更することができます。