[40] 多段減速歯車設計システム


40.1 概要
  減速機を設計する際,総減速比に対する減速段数とその歯数比を決め,寸法計算,強度計算,軸受荷重計算をするには計算が非常に面倒です.例えば,全ての歯車の計算を終えた後で,初期段の歯車の変更が生じた場合,後列の歯車を再度計算し直す必要が生じます.
  本ソフトウェアは,総減速比,段数そして動力を設定することにより歯車寸法,歯車強度計算を一括で行うことができます.そして,歯車列の配置図を表示し,さらに歯車配置を自由に変更することができます.

40.2 歯数&強度計算条件
  図40..2に歯数と強度計算条件の画面を示します.総減速比の入力範囲は,1<ΣU<10,000で,段数は1~10で設定することができます.また,強度計算を規準に歯車寸法を決定しますが,その際,曲げ強度と歯面強度の両方で歯車の大きさを決めることや曲げ強度あるいは歯面強度だけで歯車の大きさを決めることができます.本カタログではΣU=32.5,3段歯車の例を示します.


40.3 歯数設定
  歯数設定は,総減速比と段数により自動計算(AMTEC独自のアルゴリズム)します.例題では,総減速比32.50に対し,計算による総減速比は32.7であり,その誤差は0.76%です.なお,自動計算により決まった歯数は任意に変更が可能です.

40.4 設計条件
  図40.4に設計条件設定画面を示します.材料の設定は,図40.5に示すように「熱処理」に適応した材料の選択フォームを表示し,設定することができます.また,各段歯車の材料を設定した後は,図40.6のように材料一覧で確認することができます.
  図40.4の場合,圧力角およびねじれ角は全段共通(プロパティで設定:図40.24参照)ですが,各段の歯車で任意に設定することができます.図40.7に各段歯車の圧力角とねじれ角を変更した例を示します.
  運転温度および摩擦係数は,プラスチック歯車(今後に対応予定)の強度計算のために設けていますので鋼歯車の場合は強度計算に影響しません.

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40.5 歯車寸法の設定
  で,図40..8 を表示します.ここで表示する歯車諸元は,上記で設定した減速比や動力などを規準にして強度計算を行い,安全率(本例の場合,曲げと歯面強さ)が満足する歯車諸元を自動計算し表示しています.
  ここでは,モジュール,歯数,圧力角,ねじれ角,歯幅などを変更することができます.また,ここで表示している歯幅は強度計算を規準に自動決定した値のため整数ではありませんので製品の歯幅に変更可能です.今,歯幅を18.6mmを10mm に変更すると,再度強度計算を行い図40.9のように強度不足の数値を赤字で表示します.
  例題の場合,1~3段の歯車諸元数値を[確定]すると図40.10のように歯車寸法結果を表示します.


40.6 強度計算結果
  で,図40.11に強度計算結果を表示します.なお,歯車強度計算は,JGMA401-01:1974,402-01:1975 に基づいています.また,図40.8の歯車諸元は図40.11に示すように曲げ強さ,歯面強さ全てが満足する歯車諸元です.
  各段歯車の強度結果は で選択することができます.

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40.7 すべり率とヘルツ応力のグラフ
  インボリュート歯形の特徴としてかみ合いピッチ円ではころがり運動となりますが,これ以外ではすべりを伴う運動となります.各歯車段のすべり率とヘルツ応力の変化グラフを図40.12および図40.13に示します.


40.8 歯形かみ合い図
  図40.14に各段歯車のかみ合い図を示します.コントロールフォームで歯車を回転させることもでき,また,距離計測もできます.


40.9 歯形かみ合い図と歯形レンダリング
  図40.14に各段歯車のレイアウトを示します.コントロールフォームにより寸法線や歯形を表示することができます.また,図40.16のように歯車を軸方向に移動して歯車側面に隙間を与えることや,歯車軸をY軸方向に移動することもできます.この歯形レンダリング(オプション)を図40.17に示します.
  また,歯車軸を移動する処理は,小型の歯車装置(小型モータ減速機等)に適しています.図40.18および図40.19に8段減速歯車を示します.

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40.10 軸受荷重(オプション)
  歯車に作用する荷重と,軸受けに作用する荷重を計算します.荷重の種類は,接線力,法線力など各軸受けに作用する荷重を20種類計算します.図40.20に計算結果を示します.


40.11 ファイル出力(オプション)
  生成した歯形とレイアウトは,図40.21で出力することができます.図40.21にレイアウトのCAD作図例を,図40.22に歯車列のCAD作図例を示します.


40.11 プロパティ
(1)規準ラックと標準値
  図40.24に規準ラックと標準値の設定画面を示します.歯幅の設定範囲や歯幅決定係数で減速機の大きさを決めることができます.


(2)任意材料の登録
  任意材料を図40.25で設定することができます.図40.5の材料選択で「任意材料」を選択することができます.

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