[30] Tapered and crossed gear design system


30.1 概要
  Tapered and crossed gear design systemは,平行軸歯車の組み合わせではなく,軸交差角を持つインボリュート歯車を設計するソフトウェアです.ピニオンは修整を与えない歯車であり,これに軸角を持つ相手歯車の理論歯形の生成と,ねじ状砥石で研削することを前提として,砥石歯形の決定および砥石の運動を決め研削後の歯形を解析します.そして,ピニオン歯形と研削後の歯形またはギヤの理論歯形をかみ合わせることにより,かみ合い接触線や歯当たりを確認することができます.図30.1に全体画面を示します.

30.2 歯車諸元入力
  図30.2に,歯車諸元(ピニオン)の入力画面を,図30.3にピニオンの歯形を示します.諸元入力は,円筒歯車と同じです.


30.3 ギヤ諸元の設定
  図30.4に,ギヤ諸元の入力画面を示します.図30.2で与えたピニオンに,かみ合うギヤの諸元を設定します.ここで入力するバックラッシは一対歯車としてのバックラッシです.図30.3で与えたピニオンの歯厚減少量を考慮してギヤの歯厚減少量を決定します.なお,入力諸元項目および基準歯幅位置は「記号参照」ボタンで確認することができます.
  図30.4に,ギヤの歯形を決定する際に基準とする歯形分割数と歯幅分割数を示します.例題では歯形,歯幅ともに41分割としてピニオンとかみ合うギヤの理論歯形を計算します.


30.4 組み図
  図30.6に歯車組図を示します.


30.5 歯形レンダリング
  図30.7に歯形レンダリング画面を示します.この画面のギヤの歯形は,理論歯形ですが,図30.8は研削後のギヤとピニオンのかみ合いです.図中に綺麗な接触線を確認することができます.表示画像は,コントロールフォームで回転角や観察位置を変更することができ,ねじ状砥石とギヤを研削している歯形レンダリング画面(図30.9)では,ねじ状砥石とギヤの研削線を確認することができます.

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30.6 砥石基準寸法入力
  図30.10に,ねじ状砥石の設定画面を示します.ここでは,ねじ状砥石形状および加工基準を設定します.画面に示す「⊿ギヤ回転」とは,ピニオン歯面とかみ合うギヤの歯面を研削する際,歯車(テーブル)に微小な回転調整を与える方法を採用することを意味します.また,砥石の追い込みは,歯車と砥石の軸間調整を行いギヤの歯面を仕上げます.
  ピニオンにかみ合うギヤの理論歯形を,ねじ状砥石で研削するため図30.10の条件から砥石の歯形は図30.11に示す形状となり,砥石歯形はDXFファイルで出力することができます.

30.7 砥石追い込み線図
  図30.12に砥石の追い込み線図を示します.例題の場合,⊿ギヤ回転(テーブル回転)と砥石と歯車の軸間調整を許可していますので両者の運動でギヤの歯面を仕上げます.また,図30.12の線図は,Z 方向位置(歯幅方向)が,-31.872mmのとき砥石追い込み量は,-0.0004mmでありテーブル規定の回転角に-0.0027(deg)を与え研削していることになります.この線図と歯車および砥石の位置関係は,図30.12下方のスライドバーを移動することにより,図30.13のギヤと砥石の位置関係図で確認することができます.また,砥石の追い込み量とギヤの⊿回転角は[CSV]ファイルに出力することができます.


30.8 研削後の歯形
  研削後の歯幅中央の歯形(No.21)を図30.14に示します.歯幅端部の歯形と,歯幅中央の歯形はわずかですが変化します.図30.14のピッチ円部を拡大すると理論歯形と加工後の歯形に0.0044mmの差がありますが,理論歯形と研削後の歯形を重ねた図30.15に示すように両者の歯形は,ほぼ同じです.

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30.9 歯当たり
  歯当たり解析の設定画面を図30.16に,歯当たり解析結果を図30.17に示します.そして図30.18に接触距離を色分布表示した画面を示します.例題歯車の場合,この歯当たり解析結果から,平行軸はすば歯車のように両端部まで接触線を確保することができます.
  以上のように,ねじ状砥石を図30.12の線図に従って研削すると,平行軸はすば歯車のように長い接触線を持つテーパギヤを設計(製造)することができます.また,ギヤの理論歯形を金型で製造する方法でも良好な歯当たりを持つ歯車が得られます.


30.10 歯形出力
  歯形出力は,砥石歯形,理論歯形(ピニオン,ギヤ)そしてねじ状砥石で研削したギヤの歯形をDXFまたはIGESファイルで出力することができます.図30.19に,ねじ状砥石で研削した歯形を3D-IGES出力しCADで作図した例を示します.


30.11 計算例
  本ソフトウェアを用いてASME DETC2003・PTG-48089で発表された自動車用歯車(欧州メーカ)の歯当たりを検証すると図30.20のようにB社のほうが良好な歯当たりを有していることが解ります.

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