[3]involuteΣⅲ(Worm Gear desin system)


3.1 概要
  本ソフトウェアは,今まで別にしていたinvoluteΣ(worm gear)とinvoluteΣ(helical gear)を一体としてて新しく開発したソフトウェアです.また,今までオプション扱いしていた機能も一部,基本ソフトウェアに含めると共に種々新しい機能も追加しています.

3.2 ソフトウェアの構成
  ソフトウェアの構成を表3.1に示します.表中の○は基本ソフトウェアに含まれ◎はオプションです.
  involuteΣⅲ(worm gear)は,ウォームの相手歯車はウォームホイールですが,相手歯車をヘリカルギヤにすることもできます.相手歯車がヘリカルギヤの場合の説明は3.16以降をご覧ください.
  ご注文時は,価格表から必要なソフトウェアをお選びください.


3.3 基準ラック(プロパティ)
  ウォームギヤの基準ラックを図3.2に示します.基準平面は,歯直角または軸平面を選択することができます.また,図3.2のように基準ラックの実寸法図を表示することができ,ウォームの基準円直径から進み角を決める方式と,進み角から基準円直径を決める方式を選択することができます.


3.4 寸法諸元
  ウォームギヤ寸法諸元の入力画面を図3.3に示します.ウォームの歯形は図3.4(a)に示すようにA形,N形,K形,I形,C形の5種類を標準ソフトウェアに含めています.ただし,C形は強度計算規格の適用外ですので寸法や歯形生成に留めています.また,諸元の入力範囲は,モジュールは0.001~50,圧力角は5~30°,条数は1~15です.歯厚を調整する方法は,図3.4(c)のように歯厚減少量または横転位係数で設定することができます.本例ではウォームの歯厚を減少させウォームホイールの歯厚を増加させる例を示します.


3.5 歯車修整(オプション)
  図3.5のようにウォームの歯形修整を設定します.ここでは,図3.6ウォーム歯形修整2のように歯先および歯元で3μmの歯形修整を与えたウォームとします.

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3.6 歯形計算
  歯形計算条件は図3.7(a)のようにホイール加工用工具(ホブ)の諸元を設定することができます.また,歯形を表示する際の分割数は図3.7(b)で設定することができます,
  ホイール加工用工具に歯形修整を与える場合は,図3.7で「修整有り」として図3.8のように設定することができます.


  ホイール加工用ホブを図3.9のように転位ホブ(例:α=12°) として設定することもできます(α=12°とすることによりmn=1.975と定まる).この方法は,歯当たり調整方式の一種として採用されています.
  図3.10に標準ホブと転位ホブで加工したときの歯当たりを示しますが,転位ホブで加工した方の歯当たりが歯たけ中央に寄っていることが解ります.歯当たりに関しては3.9 をご覧ください.


  歯形計算終了後,図3.11 に寸法結果を表示します.なお,ウォームの三針寸法およびバックラッシは歯形修整を考慮した実歯形を基に計算しています.


3.7 かみ合い図
  歯形計算終了後,図3.12 のように歯形を表示することができ,図3.13 のように歯形の拡大作図や距離計測,R 計測,そして回転機能などがあります.

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3.8 歯形レンダリング
  歯形計算終了後,図3.14 のように歯形レンダリングを表示することができます.図3.13 では歯面が接触していませんが,これはピッチ円部分では歯面接触せず,図3.15 のようにホイールの歯底と側面部付近で歯面接触しているからです.
  図3.15 の補助フォームは,観察角度や歯車の位置変更,拡大機能,そして自動回転機能などがあります.


3.9 歯当たり(オプション)
  図3.16の歯当たり設定では,軸の取り付け誤差や接触最大クリ アランス(光明丹厚さ)を設定することができます.本例では,接触最大クリアランスをc=3μm としたときの歯当たりを図3.17に示します.ウォームの歯形の種類や歯形修整,そしてホイール を転位ホブで加工したときや,取り付け誤差を与えたとき歯当たりがどのように変化するかを把握することができます.
  また,図3.17(b)右下の補助フォームで歯形を拡大することや観察角度を変更することができます.図3.18 は,進み角をγ=5.74°としたときの歯当たりで歯当たり模様が大きく変わることが解ります.


3.10 強度計算
3.10.1 金属×金属
  強度諸元を図3.19 に,強度計算結果を図3.20 に示します.強度計算はJGMA405-01:1978 に基づいて計算します.動力はkWとW,トルクはMN・m,kN・m,N・m,N・cmを選択することができます. また,歯面強さ許容応力係数(Sclim)は,任意に設定することができます.
  各種係数は標準値を表示しますが,任意に変更可能ですし,規格適用外の歯車であっても設計者の判断で任意に入力することができます.


3.10.2 金属×樹脂
  ウォームが金属でホイールが樹脂の強度諸元を図3.21に,強度計算結果を図3.22に示します.強度計算は,Lewisの式に基づき歯面強さはヘルツの応力に基づいて計算します.
  樹脂材料はM90-44を標準としていますが,他の材料(KT-20,GH-25, MC ナイロン)を選択することができます.また,これ以外の材料ではM90比率係数(共通物性値との比)で対処することができます.

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3.11 軸受荷重
  軸受荷重の計算結果を図3.23に示します.


3.12 2D-FEM歯形応力解析(オプション)
  図3.24のFEMの設定画面では縦弾性係数,ポアソン比,分割数および荷重(例では円周力をεで除した値)を設定します.図3.25および図3.26にウォームとホイールの解析結果を示します.また,最大値の節点や要素を点滅表示で示すこともできます.


3.13 伝達解析(オプション)
3.13.1 伝達誤差解析(オプション)
  伝達誤差解析は図3.27に示すように,片歯面かみ合いによる伝達誤差解析と,両歯面かみ合いによる軸間距離変動解析ができ,ウォーム1回転時とホイール1回転時を選択することができます. 例題では,ウォーム回転速度600min-1でホイール1 回転とし,軸 の取り付け誤差は無いものとして解析します.
  ピッチ誤差は,図3.28のように設定(最大値設定または,歯ごとに設定可)することができます.伝達誤差解析結果を図3.29に,ワウ・フラッタ(回転むら)を図3.30に,フーリエ解析結果を図3.31に示します.また,ワウ・フラッタを「音」に変換させる機能もありますし,解析結果を CSV ファイルに出力することもできます.


3.13.2 軸間距離変動解析(オプション)
  多くのウォームギヤは片歯面接触として使用しますが,装置によっては両歯面を接触させかみ合わせる場合があります.軸間距離変動解析は,図3.27で設定したピッチ誤差や取り付け誤差などを考慮して中心距離の変動を解析します.図3.32に解析結果を示します.また,解析結果をCSVファイルに出力することができます.

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3.14 歯面評価(オプション)
  歯面評価には,すべり速度グラフ(図3.33)とヘルツ応力グラフ(図3.34)があります.すべり速度は,歯の接触位置における速度を計算し,ヘルツ応力も歯の接触位置における歯形(歯の変形は考慮していません)から計算しています.いずれも強度計算および伝達誤差解析後に有効です.


3.15 歯形ファイル出力
  歯形ファイルは図3.35のようにウォーム,ホイールそして工具(ホブ)の歯形(任意歯数出力可)を生成します.ファイルの種類はDXF-2D,DXF-3D,IGES-3Dの3種類です.CAD作図例を図3.36に示します.

◆ウォームの相手歯車がヘリカルギヤの場合◆



3.16 基準ラック
  ウォームギヤの基準ラックを図3.38に示します.基準平面は,歯直角または軸平面を選択することができます.


3.17 寸法諸元
  ウォーム&ヘリカルギヤ寸法諸元の入力画面を図3.39に示します.ウォームの歯形は図3.40(a)に示すようにA形,N形,K形,I形,C形の5種類を標準ソフトウェアに含めています.ただし,C形は強度計算規格の適用外ですので寸法や歯形生成に留めています.また,諸元の入力範囲は,モジュールは0.001~50,圧力角は5~30°,条数は1~15です.歯厚を調整する方法は,図3.40(c)のように歯厚減少量または横転位係数で設定することができます.本例ではウォームの歯厚を減少させヘリカルギヤの歯厚を増加させる例を示します.

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3.18 歯車修整(オプション)
  図3.41のようにウォームに歯形修整を,ヘリカルギヤに歯面修整を与えることができます.図3.42および図3.43にウォームの歯形設定とヘリカルギヤの歯面修整の例を示します.


3.19 歯形計算
  歯形計算条件は図3.44 (a)のようにヘリカルギヤ加工用工具(ホブ)の諸元を設定することができます.また,歯形を表示する際の分割数は図3.44 (b)で設定することができます.歯形計算終了後,図3.45に寸法結果を表示します.なお,ウォームの三針寸法およびバックラッシは歯形修整を考慮した実歯形を基に計算しています.ヘリカルギヤは図3.44の工具に基づいて生成した歯形です.


3.20 かみ合い図
  歯形計算終了後,図3.46のように歯形を表示することができ,図3.47のように歯形の拡大作図や距離計測,R計測,そして回転機能などがあります.


3.21 歯形レンダリング
  歯形計算終了後,図3.48のように歯形レンダリングを表示することができます.図3.49の補助フォームは,観察角度や歯車の位置変更,拡大機能,そして自動回転機能などがあります.

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3.22 歯当たり(オプション)
  図3.50の歯当たり設定では,軸の取り付け誤差や接触最大クリアランス(光明丹厚さ)を設定することができます.本例では,接触最大クリアランスをc=3μmとしたときの歯当たりを図3.51に示します.ウォームの型式や歯形修整,そして軸の取り付け誤差を与えたとき歯当たりがどのように変化するかを把握することができます.
  また,図3.51(b)右下の補助フォームで歯形を拡大することや観察角度を変更することができます.


3.23 強度計算
  強度諸元を図3.52に,強度計算結果を図3.53に示します.曲げ強さはLewisの式に基づき,歯面強さはヘルツの応力に基づいて計算します.動力はkWとW,トルクはMN・m,kN・m,N・m,N・cmを選択することができます.
  材料の設定は,ウォームとヘリカルギヤ共に図3.52aの材料を選択することができます.また,摩擦係数や各種係数は標準値を表示しますが,任意に変更することができます.



3.24 軸受荷重
  軸受荷重の計算結果を図3.54に示します.


3.25 2D-FEM歯形応力解析(オプション)
  図3.55のFEMの設定画面では縦弾性係数,ポアソン比,分割数および荷重(例では円周力をεで除した値)を設定します. 図3.56および図3.57にウォームとヘリカルギヤの解析結果を示します.また,最大値の節点や要素を点滅表示で示すこともできます.

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3.26 伝達誤差(オプション)
3.26.1 伝達誤差解析
  伝達誤差解析は図3.58上部に示すように,片歯面かみ合いによる伝達誤差解析と,両歯面かみ合いによる軸間距離変動解析ができ,ウォーム1回転時とヘリカルギヤ1回転時を選択することができます.例題では,ウォーム回転速度600
min-1でヘリカルギヤ1回転とし,軸の取り付け誤差は無いものとして解析します. ピッチ誤差は,図3.58のように設定(最大値設定または,歯ごとに設定可)することができます.伝達誤差解析結果を図3.60に,ワウ・フラッタ(回転むら)を図3.61に,フーリエ解析結果を図3.62に示します.また,ワウ・フラッタを「音」に変換

させる機能もありますし,解析結果を CSV ファイルに出力することもできます.

3.26.2 軸間距離変動解析
  多くのウォームギヤは片歯面接触として使用しますが,装置によっては両歯面を接触させかみ合わせる場合があります.軸間距離変動解析は,図3.58で設定したピッチ誤差や取り付け誤差などを考慮して中心距離の変動を解析します.図3.63に解析結果を示します.また,解析結果をCSVファイルに出力することができます.


3.27 歯面評価(オプション)
  歯面評価には,すべり速度グラフ(図3.64)とヘルツ応力グラフ(図3.65)があります.すべり速度は,歯の接触位置における速度を計算し,ヘルツ応力も歯の接触位置における歯形(歯の変形は考慮していません)から計算しています.いずれも強度計算および伝達誤差解析後に有効です.


3.28 歯形ファイル出力
  歯形ファイルは図3.66のようにウォーム,ヘリカルギヤそして工具(ホブ)の歯形(任意歯数出力可)を生成します.ファイルの種類はDXF-2D,DXF-3D,IGES-3Dの3種類です.CAD作図例を図3.67に示します.

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3.29 設計データ管理
  データベースは,Microsoft Access Database,Microsoft SQL ServerそしてORACLE MySQL Server に対応しています.また,旧ソフトウェアのinvoluteΣ(Worm Gear)およびinvoluteΣ(Worm and Helical Gear)で作成した設計データの読み込みも可能です.データベースの設定画面を図3.68 に示します.
※Microsoft SQL Server およびORACLE MySQL Server は,インストールされている必要があります.


3.30 HELP 機能
  操作途中で使い方が解らない場合は,アクティブ画面で[F1]キーを押すことで図3.69のように説明文を表示します.


3.31 ウォームギヤの種類
  ウォームギヤの種類を図3.70~3.76 に示します.なお,[ ] 内数値はソフトウェア番号です.

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