[19] VGRラック設計システム


19.1 概要
  VGR(Variable Gear Ratio)ラック設計システムは,ピニオンを基準にして,ギヤレシオカーブに基づいて運動するラックの歯形を生成し,強度計算,FEM歯形応力解析,すべり率グラフ,ヘルツ応力グラフを計算することができるソフトウェアです.

19.2 ピニオンの諸元入力
  ラックとかみ合うピニオンの諸元と,ラックを生成するためのピニオン諸元を入力します.図19.2にピニオン諸元の入力画面を,図19.3にピニオンの寸法を示します.

19.3 ピニオン歯形図
  ピニオンの歯形図を図19.4に示します.図19.5は,歯形の部分拡大図です.


19.4 ギヤレシオカーブ
  ピニオンの回転角に対するラックゲイン(mm/rev)の数値を設定します.図19.6は直線変化のグラフですが,図19.7は,スプライン曲線で接続しています.
(1) ストッパ位置の入力
    ピニオンの最大回転角度がラック長となります.
(2) 図中の一点鎖線は,
    ①ころがり円がピニオン歯先円のときのストロークゲイン
    ②ころがり円がピニオン基準円のときのストロークゲイン
    ③ころがり円がピニオン基礎円のときのストロークゲイン を示します.
(3) グラフ表示後,スクロールバーをスライドさせると上部にピ ニオン回転角とラッ
    クストローク値を表示します.
    図19.6および図19.7は,ピニオン回転角の増加に伴いラック ゲインも増加して
    いますが,ラックゲインを減少させること も可能です.

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19.5 ラックの諸元設定
  ラックの諸元設定画面を図19.8に示します.ラックの基準角度の設定により,ラックの基準位置(ピニオン回転角0deg 位置)における中央断面の歯形が,歯山または谷を選択します.ラック寸法の計算結果を図19.9に示します.


19.6 VGR ラックの歯形創成図
  ラック歯幅中央断面歯形の創成図を図19.10に示します.図のAは,ラック軸の中央位置でありBは,ストッパ位置を示します.左右の歯形の変化を確認することができます.


19.7 VGRラックの3D歯形計算
  歯形計算の前に歯形の分割数を設定します(図19.11).


19.8 レンダリング図
  歯形計算終了後,[レンダリング図]ボタンを押すと,ピニオンとラックの歯形かみあい図を表示します.レンダリング図は,座標軸の角度を変更することにより,視点を変えて観察することができます.
  図19.12にピニオン上面から観たレンダリング図を示します.また,図19.13のラック背面から観察したレンダリング図には,かみあい接触線を観察することができます.
図19.13の右に示すコントロールフォームで,
  ①座標軸の角度変更
  ②ズーム
  ③ワイヤフレーム,シェード表示切り換え
  ④背景色の設定
  ⑤ラックストロークチェック(ピニオンまたはラックの移動)
の機能があります.


19.9 CAD ファイル出力
  ピニオンとVGRラックの歯形をDXFまたはIGESファイルで出力することができます.図19.14および図19.15にファイル出力設定を示します.CAD作図例を,図19.16~図19.19に示します.

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19.10 すべり率グラフ
  ラック軸中央のかみ合い位置とストッパ位置でのかみ合いにおけるすべり率グラフを図19.20及び図19.21に示します.図19.20のピニオン歯元で大きなすべりが発生しています.


19.11 強度計算
  JGMA強度計算に基づいた計算結果を図19.22および図19.23に示します.ラックの強度は,Low Gain側とHigh Gain側の2箇所の歯形について強度計算をします.
※AGMA強度計算は,別途お問い合わせ下さい.

19.12 ヘルツ応力グラフ
  ラック軸中央のかみ合い位置とストッパ位置でのかみ合いにおけるヘルツ応力グラフを図19.24および図19.25に示します.


19.13 FEM 歯形応力
  ピニオンとVGRラックの2次元FEM歯形応力解析をします. 図19.26にFEM設定画面を,図19.27および図19.28に応力分布図を示します.


※ ラックの修整などに関しては,別途お問い合わせください.

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