[11] Gear navigation system
11.1 概要 Gear navigation systemⅲを新しく開発しました.本ソフトウェアは,従来と同様,ホブ,ピニオンカッタ,シェービングカッタ,ホーニングの各工具による歯車加工形状解析と,そのかみ合いのシミュレーションをすることができるソフトウェアです.また,データベースによる工具管理機能を有し,条件に見合う工具を共用計算することにより検索することができます. 歯車加工シミュレーションは,歯面,歯元,歯先,面取り形状と各数値の計算,特にホーニングでは,歯形修整,歯すじ修整,歯面修整後の形状を計算しグラフ表示します.更に,かみ合いシミュレーションでは,加工後の歯形をかみ合わせて歯当たりを観察することができます.図11.1にGear navigation systemⅲの画面を示します.
11.2適用歯車
11.3適用工具
11.4歯車諸元設定 |
11.5工具諸元設定と加工歯厚 11.5.1ホブ諸元設定 各種ホブの設定項目を図11.3~11.10に示します.ホブとピニオンカッタを混在させ最大3工程まで設定することが可能です.入力したホブの実刃形形状を[刃形図]で作図することができますし,図11.3のようにホブの刃元を修整することもできます.更に図11.5のように転位ホブとして設定することができます.加工歯厚は,またぎ歯厚,ピン寸法,円弧歯厚での設定が可能です. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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11.5.2 ピニオンカッタ諸元設定 各種ピニオンカッタの設定項目を図11.10~11.13に示します.ホブと同様に,入力した数値の実刃形形状を[刃形図]で作図することができ画面右下 ![]()
11.5.3 シェービングカッタ諸元設定 シェービングカッタ諸元設定例を図11.14に示します. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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11.5.4 ホーニング(オプション)諸元設定 ホーニングシミュレーションは,ドレスギヤ諸元,ホーニング砥石諸元をそれぞれ設定します.ホーニングは2工程まで設定することができます.ドレスギヤ諸元項目を図11.15に,ドレスギヤの歯面修整設定を図11.16に,ドレスギヤ歯面修整を図11.16に,そしてホーニング砥石諸元項目を図11.18に示します.なお,ドレスギヤは被削歯車諸元以外の例を示しています. ホーニングシミュレーションでは,軸交差角または,ねじれ角を基準として軸間距離を決定する方式がありますが,本例では,軸交差角を基準として軸間距離を決定する例を示します. |
11.6 相手歯車諸元 歯切り加工した歯形とかみ合う相手歯車の諸元を図11.19で設定すると図11.19のように被削歯車とのかみ合い径やかみ合い率を計算し表示します. 11.7 歯車歯形 本例では,ホブ加工(図1110)の歯厚をW=19.287,シェービング加工(図11.14)歯厚をW=19.200,ホーニング加工(図11.18)の歯厚をW=19.100として加工したときの歯形を図11.20で計算します.ホブ,シェービング,ホーニング加工の歯形図を図11.21~11.31に示します.創成図の補助フォームでは,図11.21のように歯形を拡大,縮小,距離計測,直径表示などの機能があります. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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11.8 加工数値 各工具での加工数値を図11.32~11.34に示します.これらの数値で面取り長さ,歯面直径,歯車体積,そして,各直径などを確認することができます. 11.9 歯形偏差グラフ 被削歯車と異なる諸元のドレスギヤや,バイアス修整等の複雑な修整を施したドレスギヤを使用したとき,正確に歯形が加工されるか否かの判断を容易に確認することができるよう作用線長さや各直径での修整量を知ることができます.また,歯形全体の傾向を示すトポグラフを表示することや倍率の指定などの機能を備えています. 本例では,ドレスギヤ(図11.16:ドレスギヤ歯面修整とトポグラフ)を図11.18のホーニング砥石設定で加工したときの歯形偏差グラフを図11.35に示します.歯形偏差,歯すじ偏差グラフは断面ごとに表示することができますが,ここでは断面1,断面5,断面9(図11.16で歯すじ方向を9断面で設定)の歯形偏差グラフを示しています. |
11.10 歯形座標値ファイル出力 加工後の歯形座標値をCADデータとして出力することができます.ファイル形式はDXFと3D-IGESをサポートしています.図11.36にファイル出力フォームを,図11.37および図11.38にCAD作図例を示します. 11.11 歯車かみ合い 加工シミュレーションした歯形データを保存しておくことで歯車歯形データのかみ合いシミュレーションを行うことができます. ![]() 図11.39の管理番号の駆動歯車および被動歯車を読み込むことで歯切り加工した対歯形かみ合いを確認することができます. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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登録したデータから,かみ合わせる歯車のデータを選択し設定します.図11.40にかみ合い歯車を選択した画面を示しますが,中心距離をa=99.700に変更したときの例を示します.この歯車対の2D歯車かみ合い図(図11.41)および,従動歯車の回転運動軌跡(図11.42)を選択することができます.この図の補助フォームで部分拡大,距離計測機能などの補助機能でかみ合い状態を確認することができます. |
11.12 かみ合い歯形ファイル出力 対歯車の歯形データをCADデータとしてDXFおよびD-IGES形式で出力することができます.図11.45にかみ合い歯形ファイル出力フォームを示します. 11.13 工具管理(オプション) Gear navigation systemⅲは,保有の工具諸元をデータベースに登録しておくことにより,加工シミュレーション時に共用計算や加工後の面取り長さや有効歯面長さなどの条件に見合う適正工具を検索することができます.また,図11.6などの画面(右下)の ![]() AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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登録工具の中から目的の工具を検索する場合, m1~2のホブを検索する場合,図11.53で![]() ![]() 11.14 その他の機能 11.14.1 工具共用計算(工具管理オプション機能) 例えば,セミトッピングホブで面取りが共用できるかを登録工具の中から検索する場合,図11.9の ![]() 転位ホブの場合,ホブの取り付け角は歯車ねじれ角とホブの進 AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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み角の差ではなく図
11.58の転位ホブで加工する場合,ホブ取り付け角は図11.59のようになります. 11.14.3 旧ソフトウェアで登録した工具の読み込み 旧ソフトウェア(Gear Navigation system)で登録した工具データを使用する場合は,本ソフトウェア(Gear Navigation system ⅲ)で読み込むことができます.例えば,旧データベースの中からホブを選択すると図11.59のように登録したホブ一覧を表示することができます.ただし,旧データベースの登録内容と新データベースの項目に若干の違いがあるため個々のホブを読み込み保存する必要があります. 例えば,旧データ登録の図11.60でNo.2を読み込むと図11.61(a)のように刃先逃げ量が不明となっています.これを本ソフトウェア用に登録するためには図11.61(b)および図11.62の工具登録補助項目を埋めることで本ソフトウェア(Gear Navigation system ⅲ)に対応した工具として登録することができます. |
11.14.4 データベースの形式 Gear navigation systemⅲは,設計データの管理,工具管理などの情報,検索などは,Microsoft Access Database, Microsoft SQL Server, ORAVLE MySQL Server で行うことができます. SQLサーバをご準備されていない場合は,データベースをmdbファイルで管理するソフトウェアもございますのでご注文の際にお申し付けください. ※付録[B]のギヤホーニングシミュレーションをご覧ください. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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